● 紙
▼紙の発明は中国で紀元前100年ごろで、その種類は麻紙のようです。
その後ヨーロッパに伝わるが書写に適したもので無く、機械での
印刷用として発達していく。日本への伝播は大和政権以前と考え
られ、中国の「溜め漉き」にとどまらず日本独自の「流し漉き」を
開発し発展させる。
▼紙の材料には、
雁皮(がんぴ):ジンチョウゲ科
楮(こうぞ):クワ科
三椏(みつまた):ジンチョウゲ科
麻(あさ):クワ科
などの植物の茎を形成する靭皮繊維(じんぴせんい)を適宜混合し
糊としては黄蜀葵(とろろあおい):アオイ科
糊空木(のりうつぎ):ユキノシタ科
真葛(さねかずら):モクレン科
の粘液を利用する。このような材料で紙をすくのである。
▼和紙はその言葉どおり日本製の紙ですが紙には他に中国製(台湾省
を含む)・朝鮮製のものが有ります。
▼製紙する過程で「機械漉き」と「手漉き」にわけられる。
▼”にじみ”に対しそれを抑える加工をした「加工紙」とそのままの
「素紙」が有る。もちろん色染めや型押しなどの加工もありますが
上記加工とは別のものです。
● 紙の大きさ
紙の寸法は色々有り下表の寸法は目安です。洋紙のような規格は有りません。
| センチ | 尺 | ||||||
| 幅 短辺 | 長さ 長辺 | 幅 短辺 | 長さ 長辺 | ||||
| 画 仙 紙 |
八尺判 | 70 | 240 | 2.3 | 8 | ||
| 長 判 | 70 | 200 | 2.3 | 6.6 | |||
| 六尺判 | 大画仙 | 97 | 180 | 3.2 | 6 | ||
| 五尺判 | 中画仙 | 83 | 150 | 2.7 | 5 | ||
| 四尺判 | 小画仙 | 70 | 136 | 2.3 | 4.5 | 全紙と呼ぶ | |
| 半 切 | 35 | 136 | 1.15 | 4.5 | 全紙タテ2切 | ||
| 聯 落 | 52.5 | 136 | 1.7 | 4.5 | 全紙タテ4切の3 | ||
| 聯 | 17.5 | 136 | 0.6 | 4.5 | 全紙タテ4切の1 | ||
| センチ | 寸 | ||||||
| 幅 短辺 | 長さ 長辺 | 幅 短辺 | 長さ 長辺 | ||||
| 懐 紙 判 |
全懐紙 | 36.4 | 48.5 | 1.2尺 | 1.6尺 | ||
| 短冊 | 6 | 36.4 | 2 | 1.2尺 | 懐紙の長辺を八等分 | ||
| 大色紙 | 色紙 | 24 | 27 | 8 | 9 | ||
| 小色紙 | 18 | 21 | 6 | 7 | |||
| 豆色紙 | 9 | 10.5 | 3 | 3.5 | 色紙を十字に四等分 | ||
| 豆短冊 | 6 | 21 | 2 | 7 | 色紙を短辺で三等分 | ||
| 述べ紙 | 21.2 | 27.3 | 7 | 9 | 小形の杉原紙 | ||
| 半紙 | 24.5 | 34 | 4.5 | 7 | 延べ紙の半切 | ||
| 美濃紙 | 行成紙 | 28.2 | 40.3 | 9.3 | 13.3 | ||