書道用語集
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あ行
意臨(いりん)
表面的な形にとらわれないで、それを書いた人の筆意や精神など感受して臨書すること。
印(いん)
書の落款(らっかん)に使われる。落款印とも言い文字が白く残る白文と文字が朱になる朱文の二つが組み合わされることが多く、白文は姓名、朱文は雅号が刻されるのが普通だが最近は作品の雰囲気で自由に使われる。
お家流(おいえりゅう)
江戸時代に公用文書などに用いられた書体で、藤原行成の書風に宋朝風を加えて尊円親王(伏見天皇の第六皇子)が青蓮院流を創始、この書体が変化と一般化したものである。
欧法(おうほう)
欧陽詢の書風。王羲之を学び北碑の長をとり、険しく強い独特な書風をうちたてた。
女手(おんなで)
草仮名がさらに省略された形の字。平仮名とも言う。
か行
楷書(かいしょ)
漢字の点や画を少しもくずさないで書く書体。最も多く使われ、正書とも真書ともよばれる。正式の場所ではこの体で書くことになっている。
雅号(がごう)
文人や書家・画家などが実名以外につける芸術上の呼び名を言う。つけ方は、自分で選択する場合、師匠などから贈られる場合など様々である。
活字体(かつじたい)
印刷活字の書体。明朝体・ゴジック体・教科書体などの各書体がある。それぞれの活字体は、点画のデザインに、特徴を持つ。
間架結構(かんかけっこう)
間架は漢字を書く場合、二本以上の横画、または縦画のあきぐあいのこと。結構は縦画と横画との組み合わせ方や、偏と旁との組み合わせ方などを言う。
顔法(がんほう)
中国唐代の四大家の一人である顔真卿の書風。作品によって書相が異なるてんが多い。
基本点画(きほんてんかく)
漢字の最小構成単位である共通する点と画のうち、最も基本とされるもの。
行書(ぎょうしょ)
漢字の点や画を主として少しだけ連続させたり省略した形で書く書体。能率的な書きぶりで実用の書体として用いられる。行書のうち、比較的楷書に近いものを楷行(かいぎょう)草書に近いものを草行(そうぎょう)と言う。
行草体(ぎょうそうたい)
行書と草書とをまじえて書かれたもので、現代多くの作品がこれを用いる。
形臨(けいりん)
手本の用筆や字形を忠実に書くこと。
結構(けっこう)
点画の組み立て方。
向勢(こうせい)
字形を均斉にとる方法のひとつで、相対する縦画が太鼓の胴のように中太りで向き合うこと。字形はやわらかく仕上がる。
古筆(こひつ)
平安時代から鎌倉時代にかけて書かれた、仮名や和様漢字の名筆作品。これに対し、中国の殷・周時代の文字を古文と言う。
古筆切(こひつぎれ)
後世になり古筆は、分断され保管されている場合が多い。茶道の流行にあい幅仕立てなどで残されている。
さ行
自運(じうん)
古典や手本をはなれ、自分の思ったとおりに書くこと。
書写体(しょしゃたい)
長い歴史の間に習慣化され書き継がれてきた楷書の文字の形の一つ。また、活字体に対して書写された手書きの文字の意味に使う。
草仮名(そうがな)
漢字の草書体がもう少し省略された形で表音文字として書かれた字。
草書(そうしょ)
漢字の点画を著しく省略して書く書体、最も速く書ける書体であるが読みにくい為、現在はあまり使われない。
た行
調和体(ちょうわたい)
漢字と仮名を調和よく書く書きぶりのこと。現在はあまり使わない。
篆書(てんしょ)
中国の周秦時代に盛んに使用された書体。印に刻されることの多い書体で篆刻とされる。今の日本の印には印相学より、より複雑に変化させた篆書が用いられる。
な行
は行
背勢(はいせい)
向勢(こうせい)の逆で、縦画2本が中向きに反って胴が細くなるように書くことで、楷書に多く見られる。
背臨(はいりん)
手本を見て書く練習を十分にした後、手本を見ないで手本のように書く稽古。
変体仮名(へんたいがな)
平安時代以来用いられている字形の異なった仮名。明治33年に文部省が選び出した小学校令施行規則の第一号表で定められた48字以外の仮名、選出の基準ははっきりしない。仮名作品には欠かせないものである。
ま行
摩崖(まがい)
岩の露出している面を平らにし文字を彫りこんだもの、文の場合に摩崖碑、仏の場合摩崖佛という。
万葉仮名(まんようがな)
漢字本来の意味を無視して、漢字一字で一音節を表す音標文字としての「音かな」が推古朝以降盛んに行われ、特に万葉集において用いられていたので言われる。楷書・行書・草書の書体には関係なく、楷書で書かれることもあり、一見漢文か仮名文かわからない。真仮名(まがな)男仮名(おとこがな)ともいう。現代ほとんど使用しないものです。
見消(みせけち)
写本などで誤写した文字の消し方。塗り潰さず、間違った文字の横に一つか二つの点をうって誤字であることを示す方法。
や行
ら行
臨書(りんしょ)
手本を見て書くこと。手本としては碑の拓本や名跡などの法帖(ほうじょう)を使う。意臨(いりん)と形臨(けいりん)がある。
隷書(れいしょ)
中国の漢時代に使用された書体。後に行書に発展する。
わ行